このページでは、デバンニング初心者の方へデバンニングをする上で知っておいた方がいい情報を
「安全」「作業」「マナー」の3項目に分けて解説していきます。
最後までご覧いただければ、あなたも立派なデバンニストです!
作業編 vol.1
作業時の注意
1.荷物はパレットの中心に置く
片寄った積み方をすると搬送時や段積みの際にバランスが崩れて危険です。積み直しになったりして二度手間なので最初から中心に積みましょう。
最初はパレットの中心がわからないと思いますが、よく見ると中心にマークがあったり、薄くラインが入っていたりします。わからないときは爪の差込口の中間がセンターになることを覚えておきましょう。
2.荷物は隙間なく積む
パレットに積む時のもう一つの注意点です。
荷物と荷物の間に隙間ができないようにしましょう。見た目も悪いですし、これも積み直しになったりして二度手間になってしまいます。
作業編 vol.2
積み方を覚えよう
パレットに荷物を積みるつけることえお「パレタイズ」と言います。
パレタイズにはいくつか種類があり、初めての方にはわかりにくいものもあります。ここで基本的な積み方を商会するので参考にしてください。
①「4回し」
もっとも一般的なのがこの形です。この4回しから派生した形で「8回し」「12回し」「16回し」とあります。箱のサイズに合わせて積み方を変更します。
8回し以降は難しそうに見えるかもしれませんが、4回しと積み方は変わりません。一つのブロックの数が変わるだけと覚えておきましょう。これを一段や二段ごとに積む向きを変えながら積んでいきます。こうすると荷物が安定して荷崩れしにくくなります。
②「棒積み」
積み方は回して積む以外に「棒読み」と言う積み方があります。箱の形状によって組んで積めない場合は棒積みで積みます。箱が正方形で組んで積めない時など棒積みで積んでいきます。
棒積みと言うのは向きを変えずに同じところに積んでいく積み方です。
先程の回して積む積み方と比べると安定感が劣ります。ストレッチフィルムをしっかり巻かないと荷崩れしてしまいます。ストレッチフィルムの巻き方についてはVo.3にて説明します。
代表的な積み方と、棒積みをする理由
横から見た形
作業編 vol.3
ストレッチフィルムの巻き方について
ストレッチフィルム巻き作業はデバンニング作業をする上でセットになっていることが多いです。
巻きが緩いと巻き直しになったり、荷崩れの原因になったりします。Vol.3ではストレッチフィルムをどこにどのように巻いたら良いのか解説していきます。
※正式名称はストレッチフィルムと言いますが、「ラップ巻き」と呼んでいる現場の方が多いため、ここからは「ラップ」に統一させていただきます。
①ラップの巻き方
STEP1
ラップを少し出して先端を荷物の間に挟みます。
STEP2
ラップを持ったまま周りを回ればラップは巻けます。
完成!
以上、2ステップで完成です。
しかし!
巻いた際に適切なテンションがかかっておらず、いわゆる巻きが甘い状態だとやり直しを要求されることもあります。
どうすれば強くラップが巻けるか説明します。コツはラップに遊びができないように巻くことです。ラップを巻くときは角ごとにラップを引っ張ることで強く巻けます。巻く回数は荷物にもよりますが、2周程度が多いです。
②積み方とラップ巻きの関係
回して積んだ場合は荷重の分散ができるので荷崩れしにくいです。なので、ラップ巻きも上段だけでいい現場が多いです。
作業編Vol.2で棒積みの説明をしましたが、棒積みは荷重の分散ができないので揺れに弱く、フォークリフトの搬送で荷崩れすることもあります。そのため、ラップ巻きも下段から上段までしっかり巻かなくてはなりません。
③NGなラップ巻き例
1.ナナメ巻き
ラップが平行に巻けていません。落下の原因になります。
2.ユルユル巻き
ラップの巻きが弱すぎます。荷崩れの原因になります。
3.ギチギチ巻き
ラップを強く巻きすぎです。商品破損の原因になります。
簡単そうに見えて意外と奥が深いのがラップ巻きです。今後もラップ巻きについては随時追記していきますので、お楽しみに!
作業編 vol.4
荷物の持ち方について
①重い荷物の正しい持ち方
悪い例
重たい荷物を手の平で持ってはいけません。この持ち方だとすぐに腕が疲れてしまいます。
良い例
荷物が重い時は箱の角を持ちます。さらに箱を体に密着させることで荷重の分散ができ、より軽く持つことができます。
荷物がとても重い場合はこのように持ちます。
重い荷物でも適した持ち方をすればそれ程疲れません。手の平だけで持たず、荷重を分散させることを意識しましょう。
②パレットに積む時の正しい積み方
Vol.2で回しの説明をしましたが今回はその応用です。
例えば、8回し6段2段切りで積む場合…この場合は必ず2個もしくは4個ずつ積みましょう。
2人で4個ずつ積んだならパレットに荷物を置く回数は合計で12回になり、
一人当たり6回で1パレット完成します。2個ずつなら計24回(一人当たり12回)になり、この回数が多ければ多い程時間がかかります。
この作業をどれだけ少なく&早くできるかで作業時間が大きく変わります。
棒積みも同様です。
例えば、9回し8段の棒積みなら4段2回や5段と3段といったように積む段数を合わせた方が早く積めます。
また、棒積みのときは真ん中奥から積み始めるのが基本です。
積む段数が毎回バラバラだと、
「あと何個必要か」「何段持っていけばいいのか」「持って行きすぎた」と、作業効率が悪くなります。
作業編 vol.5
指示書の見方を覚えよう
①そもそも指示書とは
指示書に記載されている内容は、
・コンテナナンバー、シールナンバー
・商品名
・商品コードやJANコード
・ケース数 です。
まずはコンテナナンバーを確認してから封印を切ります。
コンテナナンバーはアルファベット4桁と数字7桁でコンテナの前面と側面に記載されています。
シールナンバーは封印にも個別の番号が振られています。これも確認が必要な場合はチェックしてください。
もし指示書とコンテナのナンバーが一致していない場合は、封印を切らずに現場責任者へ報告をしてください。
扉を開けたら商品コード、もしくはJANコードを指示書と照会します。
例えば「4936695459464」というJANコードの商品があったら指示書に何ケースと書かれているかを確認します。
100ケースで1パレットに16ケース積みの場合は6パレットと4ケース積めば100ケース全て積んだことになります。
一つの品番が終わったら指示書にチェックをつけます。あとはこれを繰り返していき、指示書の全てにチェックが付けば作業完了となります。
作業が完了した指示書はこの様に記入されます。
記入された内容の解説
指示書には何も難しいことは書かれていません。チェックを毎回すること、誰が見てもわかるように記入する事が大切です。
②応用編~こんな時どうする?~
case1.指示書の記載のケース数と実際の数が一致しない
こんな時は他に過不足の出ている商品がないかを確認します。1ケース過剰の商品と1ケース不足の商品があれば過剰の方に1ケース混載になっている可能性が高いです。検品をしても混載がなかった場合は「1ケースの過不足」と指示書に記載し、現場責任者へ報告してください。
case2.コンテナの中がごちゃごちゃで何から積めばいいかわからない
商品の種類が多いコンテナだと言うことはよくあります。こんな時は一度仕分けをして、何が何ケースあるのかを確認してからパレットへ積みましょう。
仮に4品番が同時に出てきたとしたら、優先順位はD→C→A→Bとなります。
まずは10ケースで完成のDから終わらせます。次に、1PL分は出てきたCを出します。その次は1PL分には達していないAを積んで外に保留にしてもらいます。
Bは10ケース揃ってからで問題ないので、コンテナの中に保留にしておきます。
この順番でやる理由は、完成品を積んでいる間に未完成だった商品が出てきて完成したり、1PL分は揃ったりすることが良くあるからです。未完成で保留になっている商品はわかりやすく指示書にチェックをつけておきましょう。
あると便利なもの
作業編 vol.6
コンテナ内の忘れ物注意
デバン作業が終わったときにやりがちなのが、中に備品を残したまま扉を閉めてしまうことです。
特に充電切れのライトをそのままにしておくとよく忘れます。そのままコンテナが出発してしまうと回収は困難です。
コンテナ内に忘れやすい物
- ライト(天井から吊り下げってたのをそのまま)
- 指示書(壁に貼り付けてたのをそのまま)
- ボールペン(床に落としたのをそのまま)
特にライトは値段も高く、無くすと次の作業にも支障が出てしまいますので、扉を閉める前に忘れ物が無いか必ず確認しましょう。
作業編 vol.7
フォーク下ろしの注意点
フォークリフトを使用するデバンニングは身体への負担が少なく短い時間で効率よく作業できます。
しかし、その反面ミスをすると損害も大きくなりますので、どんなところに注意をすればいいのかを解説します。
タイヤが接触しまうため、コンテナに寄せすぎには注意しましょう。爪はスライド機能で位置を調整します。
②いきなり爪を根本まで刺さない
中身がよく分かっていないときは爪を8割くらい刺して動かしてから根本まで差しましょう。パレットが小さかったり、長爪のフォークだったりすると、後ろの荷物を破損させてしまうことがあります。一回甘く刺して荷物を安全な位置に移動させてから根本まで刺し込みましょう
③ツメを刺して持ち上げてもすぐにバックしない
隣の荷物や壁と接触して倒してしまうことがあります。動き出しはゆっくりで左右どこにも干渉していないことを確認してから下がりましょう。
どこかが接触していたらスライドを使って調整してください。
④スロープを降りるときは水平を意識する
スロープに進入する時はパレットが水平になるように爪をチルトしながらゆっくり降ります。スロープから降りる再はパレットの先端がスロープに干渉しないように水平を維持しながら爪を上げて降りましょう。
「確認を怠らないこと」「急がないこと」この2点は絶対に守りましょう。パレット単位での破損はシャレになりません!
作業編 vol.8
デバンニングのNG行為
急いでいるとつい乗ってしまいがちですが、デバンニング中に商品の上に乗ってはいけません。
外箱が潰れたり、汚れてしまいますし、食品の商品に足跡を付けたら破損扱いになります。急いでいたとしても絶対に乗ってはいけません。靴を脱いでも商品に乗るのはNGです。急いでいたとしても、必ず脚立や踏み台を使いましょう